子宮や卵管は一般的なレントゲン検査で撮影することはできません
「子宮卵管造影検査」 はエックス線に反応して白く写る造影剤というものを子宮の中に注入して行う放射線の検査です。不妊症の検査では早期に行われるべき、必須の検査といえます。
月経が終わり出血がない日 (7~9日目頃) に検査を行います。
膣から子宮へカーテルを入れて造影剤を注入し、子宮卵管のX線撮影を行います。
この検査により子宮の形や卵管の通過性などが分かります。造影剤の流れ具合を観察するために、複数回撮影されます。当日に何枚か撮る場合や翌日に行う場合もあります。
10分程度で終わる検査ですが、卵管に造影剤が通るときに多少痛みが生じます。
特に、卵管が詰まっていたり狭くなっていたりすると、痛みも強いようです。
卵管は非常に細く、鉛筆の芯くらいの太さしかありません。しかも内部はヒダ状になっていて、とても狭く、微生物や細菌感染などによって容易に閉塞を起こします。
最近増加傾向にあるクラミジア感染によって、閉塞を起こすことが知られていますが、その他にも淋菌や大腸菌の感染によっても閉塞は起こりえます。
検査の時に使用する「造影剤」は油性の造影剤と水性の造影剤があります。
油性の造影剤(リピオドールなど)と水性の造影剤(イソビストなど)があります。
油性は、造影能力や刺激性の少ないのが特徴で、水性は、造影剤の吸収の早さが特徴です。
この検査では、卵管が完全に閉塞した場合は別ですが、少し通りが悪いような程度の場合や、
軽い癒着などは、子宮卵管造影検査後の6ヶ月、特に最初の3ヶ月間は卵管の通り道が広がり、
その分精子が遡上しやすくなるために妊娠率が高くなるという統計もあるようです。
卵管がつまっているかどうかの検査は低温期に行われます。
通水・通気検査は子宮卵管造影検査の前や、その代わりに行われることが多いようです。
膣からカテーテルを挿入し、子宮内に水や空気(炭酸ガス)を送り込み、卵管が詰まっていないかを確認していきます。
X線設備のない医院や病院では、卵管の通過性を確認する場合に行なわれます。
子宮卵管造影検査ほど、正確な検査結果は得られませんが、水や炭酸ガスを流し込むことによって、卵管の通りがよくなり軽い卵管のつまり程度ならば解消され、この検査の後に妊娠に結びつくこともあるようです。